君の鳥は歌を歌える【歌人:枡野浩一】現代短歌の面白さ炸裂。唸り、笑い、考える。プチストレス発散本。

歌人・枡野浩一【君の鳥は歌を歌える】 その他
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歌人・枡野浩一があの本を、あの映画を短歌に落とし込むとこうなる。
という本家取りのような一冊。映画って、小説って長いですよね?でもそれを枡野浩一が抜き取り、短歌にすれば、唸るような5・7・5に仕上がるから爽快。

本家取り短歌の楽しさ・醍醐味

「君の鳥は歌を歌える」は、買って私の本棚に残っている一冊です。
大抵の場合は、家が狭いこともあり、みなbookoffにお世話になるか、廃棄処分しています。

本棚に残るか残らないか、それは簡単な基準で「面白かったかどうか」「読み直したいかどうか」。
この本は、何度も読み直しました。

さらに、「君の鳥は歌を歌える」はいわゆる本家取りの形で短歌を作っているのですが
短歌を読めば、さらに、本家の元ねた「本」や「映画」をみたくなる、という
二重に美味しい情報が散りばめられているのです。

かくいう私も、この本で知った「本家」の本を読み映画を見、本画本を呼ぶ楽しいつながりにハマっていったのでした。

枡野浩一 歌人 プロフィール

枡野浩一(ますの・こういち)

1968年9月23日、東京うまれ。歌人。大学中退後、広告会社のコピーライター、フリーの雑誌ライター等を経て1997年9月23日、短歌絵本『てのりくじら』『ドレミふぁんくしょんドロップ』を2冊同時発売してデビュー。簡単な現代語だけで読者が感嘆してしまうような表現をめざす「かんたん短歌」を提唱。入門書『かんたん短歌の作り方』からは加藤千恵、佐藤真由美、天野慶らがデビューした。笹井宏之、宇都宮敦、仁尾智らの短歌をちりばめた小説『ショートソング』(佐々木あらら企画執筆協力)は約10万部のヒットとなり、若い世代の短歌ブームを牽引。高校国語教科書に《毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである》他掲載。受賞歴は2011年11月22日、明石家さんまが選ぶ「踊る!ヒット賞!!」および2022年3月19日、小沢健二とスチャダラパーが選ぶ「今夜も短歌で賞」。

jiji.comより

【おすすめ】人気の枡野浩一本

石川くん

「石川くん」。
ここでいう「石川」とは「石川啄木」のこと。
石川啄木が残した作品を現代語訳するとこうなる、
というコンセプトで書かれた一冊。

啄木のほんとの姿がここに! 石川啄木って、
教科書に載ってるエライ人というイメージが強いけれど、
ほんとは金と女に独自の美意識を持った、
とっても人間味あふれる駄目男でした。
そんな石川くんの短歌を「現代の言葉」で歌いなおし、
石川くんの駄目っぷりにツッコミをいれ、
愛と憎しみをこめて
長い長い手紙(電子メール)を書きました。

筆者からのコメント「石川くん」より

淋しいのはお前だけじゃな

この本はぜひ、絵に注目していただきたい!
イラスト:オオキトモユキ

だれ?知っている人は知っている。知らない人は、全くしらない。
でも、音楽業界で彼を知らない人はいないのではないか。。。

【ピーズ】【カステラ】で一世を風靡し、現在も、TOMOVSKY(トモフスキー)として活躍する
アーティストオオキトモユキ氏。トモくん。

そう、気さくで元気なトモフスキーがイラストを手掛けている。

わたしは、彼の歌も絵も大好きである。うむ。

トモフスキーの歌詞は、まったくもって枡野浩一氏のいう「淋しい」ところを突いてくる。
トモフの歌詞は、そういえば、枡野浩一氏に通じるところがある。
さらに、トモフの絵はいつも3D感と宇宙波の広がりを感じさせて想像力を広げてくれる
魔法のような絵なんである。

枡野浩一 ✕ オオキトモユキ

トモフのイラストをみながら枡野浩一を読む。
なんとも贅沢な不思議な空間ができあがること間違いなし。

〈振り向いてくれたけれども「がんばれ」はたぶん自分に言った言葉だ〉――。残業続きで恋人に会えない夏の日々、文芸部の美少女と何も起こらなかった高校時代、今も発熱し続ける叶わなかった夢……。短歌の背後にはいつも、淋しくて優しいストーリーがあった。日常の小さな感情を温かな筆致で描く、短い歌と短いストーリー。オオキトモユキの筆による、ユーモラスで少し悲しい絵物語も同時収録!

amazonより

毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである

枡野浩一前短歌集が2022年9月に発売になりました。
わたしが、一番注目したのは、

「小沢健二」さんの帯。

世の常として、他人に言えない孤独を歌にすると、
他人に言えない孤独を抱えた、多くの人たちに愛される、のです。
そして、そのことは一切、誰の孤独も軽くはしないのです。

 でも、歌は。
 あぁ、歌は。

枡野さんのこの御本、とてもうれしい   

毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである の帯より

わたしは小沢健二さんが、大好きなのです。
フリッパーズ・ギターの頃からその歌詞に打ちのめされ、癒やされ、考えさせられ。。。

そういえば、この感じは枡野浩一の短歌にも通づるところがある。
オザケンが

でも、歌は。
あぁ、歌は。

と言っているように
あの短い5.7.5の中で
スパっと言い切る、表現する。

その潔さが

でも、歌は。
あぁ、歌は。

なにか、小説や、歌詞や、映画などと違う感情を連れてきてくれるのかもしれない。

まとめ

結局、オススメにもあるように
わたしは、

TOMOVSKY(オオキトモユキ)の歌詞が好きで
フリッパーズ・ギターの歌詞が好きで
小沢健二(オザケン)の歌詞が好きで

そして、枡野浩一。
繋がっていたのである。

トモフスキー好き、オザケン好きな人は
枡野浩一もきっと、受け入れてくれるだろう、と私は思う。

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